世田谷区豪徳寺の障害者自立支援団体の代表挨拶

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代表挨拶

ごあいさつ

特定非営利活動法人 自立の家
代表理事

宮坂 知孝みやさか ともたか

前代表理事小佐野彰氏の後を引き継ぎ、一年が過ぎようとしています。ある程度の予測と覚悟をもって大任をお受けしたつもりでしたが、法人を取り巻く状況の深刻さ、そして法人がかかえる課題の多さに圧倒され、あっという間に一年が経過した感があります。

さて、本年4月1日より「障害者差別解消法」が施行されました。「障害者差別解消法」は障がい者への差別的な扱いを禁止し、必要な配慮を公的機関に義務付け、民間事業者には努力義務を課すというものです。内閣府によると、例えば「障がいを理由とし学校の受験や入学を拒否するといった対応は禁じられる」とされています。これは良い法律が施行された・・・と思われる方が多いかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。学校は受験や入学で終わるわけではありません。その後の長い学校生活があります。わたしも経験しましたが、障がい者が学校生活を送るためには、様々な困難や不安があります。毎日の通学をどうするのか?授業についていけるだろうか?友人は出来るだろうか?数え上げたらきりがありません。

ましてや車椅子を利用する障がい者にとっては、介助者がいなければ学校生活は成り立ちません。しかし、現状学校内で介助者を付けることを認めている学校や自治体は稀有です。

この構図は学校だけではありません。就労の現場でも同様です。障がいを抱えながらも、頑張って憧れの仕事に就いたのに、短期間で辞めてしまう人がなんと多い事でしょうか。職場内で障がいを理解してもらえず、孤立してしまったという人が多いようです。終業後に頻繁に飲み会があったが、自分だけ誘われなかったという人もいました。

「障害者差別解消法」は、現状では表面的な差別を法律の名のもとに禁止しているにすぎません。本当の意味で差別をなくし、障がいのある人もない人も、安心して生きていけるためには何が必要でしょうか?わたしは、それぞれが何を思い、何が必要なのかを真摯にぶつけ合い、理解し合いながら折り合いを付け、階段を一段一段昇っていくことが大事ではないかと思います。言葉では簡単ですが、とてもしんどい作業になるでしょう。しかし、この大きな壁を乗り越えなければ、本当の意味での差別の解消には至りません。

次に法人内部の課題について話したいと思います。自立の家が発足し今年で41年目となります。『誰もが安心して生活できる地域社会の創造』を基本理念とし組織は成長してきました。今日までNPO法人として様々な事業や取り組みを実施し、会員の皆さんをはじめ、たくさんの利用者や協力者の方々によって支えられています。地域社会からの期待もますます大きくなっています。

一方で、組織の拡大や事業化が進むにつれ、理念と人間関係の希薄化も進んできている気がします。福祉が市場化され、自立の家も否応なくその荒波に呑まれ続けていることを思えば、致し方ない気もしますが、それでは自立の家の存在する意味はありません。

私達自立の家の使命は、障がいのある人たちの立場に立ち、社会に対し『おかしいことはおかしい』と言う事ではないでしょうか。そんな自立の家であり続けるために、現在『第3次中期計画づくり』を継続しています。昨年ご案内したように『第3次中期計画づくり』は「法人の理念を堅持すべく原点に立ち返ること、そして、一時代前のモデルに依拠するのではない新しいイメージを作り出していくこと」が基調となっています。

『自立の家』であり続けるために、皆様、本年もご支援ご協力のほど宜しくお願い致します。

2016年5月